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2011年2月3日(木)晴れ
 
 昨年末のことです。
 長男の結婚の相手方への結納金として家内が50万円の支出を決断しました。ぼくの預かり知らぬところでお金が動くのは不思議でもあり、我が家の埋蔵金の流出については、心に留め置かざるを得ないことでした。

 その何日も経たないある日、ひとりのおばあさんに出会いました。公共の建物から外に出る階段の上で立ち止まって、降りることに思案している様子でした。わずか数段なのですが、人によってはたいへんなことなのでしょう。手を両手で支えてあげて、下段までいっしょに歩いて差し上げました。
 それから続けて、いずれも90歳くらいの三人のおばあさんに出会うことになるのです。
 翌日、二番目のおばあさん(知り合いです)から数年ぶりに携帯へ問い合わせの電話をいただきました。後日話してくれましたが、ぼくの携帯電話の番号がオフィスに残っていた、ということで繋がるかどうか半信半疑でかけてみた、そうです。
 ひとりのおばあさんを助けてあげてくれないか、という仕事の依頼でした。料金について聞かれたので、相場がありますので任せますが多い分には仲介料が上がる訳でそちらにとってもご都合はよろしいのでは・・、と答えておきました。翌日から三日間つめて、相談に乗ったり指示したり世話をするなどして・・、仕上げました。
 立て続けにもう一件、やはり90歳くらいのおばあさんの仕事を承りました。
 合わせて相当な額の仕事となり、日を改めてオフィスを訪ねると、もう今は社長ではないんですよ、と言われ、手を取り合って電話をいただいたおばあさんと再会を喜びました。『今回は先方も喜んでいただいて本当に助かったんですよ、ですからこちらの取り分はいらないのですべてお納めください』と。『それは、いけません。』と、こちらも形ばかりの譲歩のやり取りをした後、すべていただいて引き下がることと致しました。
 金額を合計したところ、家内が支出する額とほぼ一致したことに、当座は世の中には普通にあり得る日常的なことに過ぎないと理解して格別な思いを抱かなかったのでしたが、・・・。
 日にちが経って振り返る回数も増えるにしたがって、少しずつ不思議な気が増してくるからおもしろいものです。
 
 その後、・・ひとつの親切が3倍になってかえってくるのか!と、・・外出のついでにどこか困った老人はいないかと、何回かきょろきょろと探してみたこともありました。
 けど、すぐやめました。
 
 話しは変わって結納金について、20万でなくて、50万で良かった、と。
 今になって、思うこと。
 ・・・四日市での結納の儀式で、目録を相手の父親に手渡し、その父親が無表情のまま隣りの母親に見せ、娘も覗き込んで母親と同じような作り笑顔というか、張り付いたような笑顔で記載された数字・・を見る!
20でなく、50で良かったと、今になって思うのです。
 
 目録の数字が20だったとしたら、・・?。当然、その場はにこやかに納まったかも知れないが、・・娘としてその心中は、どうなんだろうか?・・と。
 『自分は20万円で売られてゆくのか!』
 ・・っと、そこまでは突き詰めて思わないものだろうが、
 『自分にはいくらの価値が付けられたのか!』と。
 ・・そうも、思わないだろうけれども、
 『自分が値踏みされる』瞬間!
 それを娘が見た、のです。
 そして、一刻の時間が過ぎていったのでした。
 父親と母親と娘、三人ともまったく、心中の気配を表情に表さなかった、のでした。
 
 心中は計り知れないものです。50万が、納得されたかどうか、知る術はありません。
 
 今だから、相場の見当はつくのですが。100万なら・・十二分と思って、二分ほどの20万くらいを結納返しとして返金挨拶、ということになろう。
 
 金額その他についてはすべて、男親が決めること。
 という(捜査官の職にある)娘さんの父親の意向は、事前にこちらには伝えられていました。
 こちらでは、20万と50万が検討され、結果として50万を提出した。
 
 娘さんのロクちゃんの心中は・・、こればかりは、知ることができない。
 知りたいと、思ってもいけないことなのでしょう。
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